No.6238号(2020年06月01日号)3面では「学校休業中の子どもの思い」を掲載

06.01

OK0120020060100101

学校再開 対コロナへ知恵絞る

 新型コロナウイルス感染症の拡大が収束に向かい、教育活動を再開する学校が増え始めた。一方で、今月以降の再開を目指す学校も多い。一歩、先に再開した学校では、感染防止と教育活動の両立にどのような工夫や苦労があるのか。5月下旬の模様をまとめた。

感染地域でも部活動可能に 学校再開へ文科省が指針

 文科省は5月22日、新型コロナウイルス感染症への対策と学校生活の両立に関する考え方を「衛生管理マニュアル」としてまとめ、公表した。感染への危険度を3段階に分け、それぞれに応じた学校生活の在り方を示している。どの段階にある学校でも部活動の実施に向けた考え方を明確化した。一方、「特定(警戒)都道府県」に相当する感染状況にある自治体で授業を行う場合、教室に入る児童・生徒の人数を絞り込むことなどを挙げている。幼稚園での留意事項も示した。

友達に会えず孤立感、再開後の授業進度が不安…学校休業中、子どもの思いは

 緊急事態宣言の解除を受けて全国で学校が再開される。休業中に子どもたちや保護者は何を感じていたのか。民間団体などの調査からは、休み中の孤立感とともに再開後の授業進度に対して不安を感じていることが分かった。

コロナの影響踏まえ「学びの保障」に尽力 Zoom活用しWeb総会

全日本中学校長会

新会長に三田村氏

 新型コロナウイルス感染症を踏まえ、全国の教育関係団体の総会が中止になる中、全日本中学校長会は5月21日、全日中会館(東京)と全国70以上の基地局を結んでの「Web総会」を開催した。総会で使用したのはWeb会議ツールの「Zoom」。3月から準備を始め、本番に臨んだ。総会では川越豊彦会長の退任に伴い、三田村裕・東京都八王子市立第七中学校校長が会長に就任した。(次号で三田村会長インタビューを掲載)

休業期間生かした実践など紹介 文科省がコロナ対応事例集

 新型コロナウイルス感染症に対応するために臨時休業や登園自粛を実施した幼稚園・認定こども園の教育支援などの取り組みをまとめ、文科省が発行した「新型コロナウイルス感染症への対応のための幼稚園等の取組事例集」(5月25日付2面で既報)。各園の課題や実態に応じたさまざまな事例には、再開後の園運営に役立つことも多く含まれる。今回は掲載された七つのテーマの中から「休業期間を生かした保育の質向上のための取り組み」「子育てに関する悩み相談やストレス軽減、虐待防止など、保護者に対する支援」の詳しい内容を紹介する。

宿題のドリル廃止し自学ノートを作成 家庭学習を改善

課題見つけ取り組む子へ

水戸市立石川小学校

 昨年度から家庭学習の在り方を変えた水戸市立石川小学校(豊田雅之校長、児童489人)。同校では「いしかわスタイル家庭学習」(自学ノートづくり)と呼び、子どもの自主学習を通した自己肯定感の向上などがねらいだ。従来のドリル宿題は廃止。教育現場にも「働き方改革」が求められる中、昨年度と一昨年度の時間外勤務時間を比べると、最大約22時間の削減につながる月もあった。今後の学校教育に一石を投じる取り組みになりそうだ。

自然や史跡に恵まれた郷土に誇り持とう ふるさと学習「酒々井学」

子ども向け副読本を配布

千葉・酒々井町教委

 千葉県北部中央に位置する酒々井町。「人 自然 歴史が調和した活力あふれるまち」を目指すこの町が力を入れているのが、地元を学び、ふるさと意識を育む「酒々井学」だ。同町教委はこのたび、酒々井学の児童・生徒向け副読本「いいね!酒々井」を作成し、町立の2小1中に配布。町の歴史や自然などを紹介し、調べ学習などに役立ててもらおうとしている。開始から4年目になる「酒々井学」の取り組みは、学校と地域の連携関係の強化などにつながっている。

生徒が撮影、「食レポ」や声優も「高校生うなぎニュース」の動画配信

静岡県立浜松湖南高校・放送部

 ウナギの養殖発祥地として知られる浜名湖。湖の近くにある静岡県立浜松湖南高校(牧田恵校長、生徒1008人)の放送部に所属する生徒たちが作成した「高校生うなぎニュース」の動画が注目を集めている。食育や資源保護などをテーマにしたもので、動画配信サイト「YouTube」にアップ。国内外に配信し、ウナギ文化が根付く地元浜松市の活性化にもつなげていきたい考えだ。

情報セキュリティー意識高めよう 教員向けにセキュリティー事故体験ゲーム

 情報セキュリティー会社の「トレンドマイクロ」が沖縄県立総合教育センターと「教員向けセキュリティ事故体験ゲーム」を共同で開発した。学校再開後の教育活動ではインターネット利用の増加が予想されるだけに、教員のセキュリティー意識を高めておくことが必要だ。

若者の就職支援企業「人生選択」巡りオンライン講演 北海道奥尻島の高校で

 高校を中途退学した若者などへの就職を支援している民間企業「ハッシャダイ」(東京・渋谷区)はこのほど、高校や少年院の生徒・院生向けに行ってきた教育事業を主に担う一般社団法人を設立した。5月15日には、遠隔授業を行っている北海道奥尻高校のオンライン講座で、人生を選択することの意義などに関する授業を担当した。

関連記事

日本教育新聞電子版 クレジットカード決済でのお支払い 住所変更のお申し込み

ページ上部へ戻る