
令和7年教育界の出来事は
今年も残すところ2週間余り。教育界の動向を振り返ると、学習指導要領改訂に向けた方針が固まり、この方針の下で、詳細な検討が続いている。教員不足は深刻な状態のままだが、処遇改善を進めることが決まった。これらをはじめとする主な動きをまとめた。
地元のガイドブック作成 東京・板橋区立赤塚小学校 「るるぶ」の助言受け
東京都板橋区立赤塚小学校の6年生が本年度、旅行情報誌の「るるぶ」を発行する企業から協力を得て、地元・赤塚のガイドブックの作成を進めている。各クラスで興味あるテーマ別に児童グループを編成。文化や農業の他、公園や駄菓子屋などを紹介するものとなる。
解説 多様な大学入試 高校の学び妨げる選抜方式 懸念
多くの大学が実施する総合型選抜や学校推薦型選抜に関し、学校現場では教員が対応する際の困難さが浮き彫りとなっている。大学入試要項には、多様な入学者選抜を工夫することが望ましいと示されているが、逸脱の事例も指摘される。高大接続のあるべき姿について、全国高等学校長協会の内田隆志会長(都立三田高校校長)に解説してもらった。
部活動・地域展開のメリットは 大都市中学校長会連絡協議会千葉大会(下)
前回に続き、大都市中学校長会連絡協議会千葉大会の分科会での発表内容を紹介する。
保育者の仕事の魅力を発信 鳴門教育大学がイベント開催
文科省では、より多くの人が幼児教育・保育の道を志すようにすることなどを目指し、幼児教育の「職」の魅力向上と人材確保の好循環を生み出すモデル創出に取り組んでいる。委託を受けて事業に取り組む鳴門教育大学は本年度も、キャリア支援の在り方や幼児教育の魅力発信の方法、人材確保・定着に関する課題解決施策を提案するイベント「保育者ほど素敵な仕事はないⅢ」を開催した。
ごみ分別を意識高めるには より良い未来へ地域課題の解決策考える
茨城・守谷市立黒内小6年生「総合」
総合的な学習の時間では、子どもたちが社会の解決したい問題を見いだし、地域のより良い未来をつくる方法を考える取り組みが行われることもある。茨城県守谷市立黒内小学校(古橋雅文校長、児童1248人)も、そうした学校の一つ。常総環境センターの一部稼働停止という課題を受け、6年生の児童が「総合的な学習」で解決方法を考えた。子どもたちは生成AIを活用しながら、市民のごみ分別に対する意識を高めるため制作物を作り、アイデアを提案した。
キャリア教育「未来実現プロジェクト」 目標から逆算して計画立てる
奈良市富雄第三小中学校
「未来実現プロジェクト」を始めた奈良市富雄第三小中学校(浜辺秀雄校長、児童288人・生徒160人)。設定目標から逆算して計画を立て、実行後に振り返りを行い、次につなげる。「バックキャストアプローチ」の手法を取り入れたキャリア教育だ。7年生(中1)で行い、他学年への導入も計画。課題解決能力などが向上しているという。
観光協会と地域をPR 「マイスター・ハイスクール」事業発表会から(下)
文科省は10月末、専門高校の生徒が学習成果を発表する全国産業教育フェアで、「マイスター・ハイスク―ル(MH、次世代地域産業人材育成刷新事業)」の発表会を実施した。職業人材の育成を目的に始まった同事業は、令和6年度から普及促進事業となり12件を採択。発表会では、地域の観光資源を生かした課題研究や情報技術を活用した介護福祉の実践についての報告があった。
特産ネギの栽培通じ地域知る 生活科・「総合」で生産者ら協力
福島・郡山市立東芳小
おいしい可食部を多く得るために、曲がった状態に育てる「曲がりねぎ」が収穫期を迎えた。産地の一つ、福島県郡山市の市立東芳小学校(渡部由美子校長、児童99人)では、児童が生活科と総合的な学習の時間に、種まきから収穫までを体験している。農家の苦労の一端を感じながら、収穫の喜びと、実際の作物を味わう実践である。先月、収穫の模様を取材した。(渡邉康一・本紙特別記者=社会教育士)
車椅子で米作りを スマート農業提言し最優秀 プレゼンカップ全国大会開催
肢体不自由特別支援学校の高等部に通う生徒が、自分の経験や考えを基に社会への提言を発表する「第8回プレゼンカップ」の全国大会が3日、東京都内で開かれた。遠隔操作による接客の仕事を増やしてほしい、といった発表があり、文部科学大臣賞に愛媛県立宇和特別支援学校3年生の兵頭紗弥さんが輝いた。長距離の移動が難しい生徒たちのために、全国7ブロックの予選を勝ち抜いた代表者たちをオンラインで会場とつないで行われた。




















