No.6174号(2019年01月07日号)12面では「特別支援学校・学級の子どもたち 大学生活の一端に触れる」を掲載

01.07

20190107-01

「総合学習」何を残した

主体的学び 新指導要領の基盤築く

 平成が今年で終わる。わずか30年の間に学校では「ゆとり教育」とも言われた教育内容の削減から「PISAショック」を経て、再び教育内容の充実へ、と振り子が左右へ揺れた。その真っただ中に生まれたのが、教科とは大きく性格の異なる総合的な学習の時間(総合学習)だった。総合学習は、学校教育に何を残し、次の時代にどんな役割を果たすのか。

市区町村教育長、平成を振り返る

本社アンケート

変形労働時間制に4割反対

学テと免許更新制「負」の側面も

 平成の世を振り返り、教育界に与えた影響が大きかった出来事などについて全国の教育長に意見を求めた本社調査。完全学校週5日制の導入が大きかったとの声が最も多かった。全国学力・学習状況調査と教員免許更新制度は功罪両面から影響が大きかったとの声が上がっている。この他、昨年、教育界で注目を集めた部活動改革、教職員の長時間労働への対策などについても学校現場の実態や、教育長の考えが明らかになった。

全国公立学校教頭会が結成60周年記念式典

歴史振り返り「全公教は一つ」強調

杉江会長

 全国公立学校教頭会(杉江淳一会長)は昨年12月7日、結成60周年記念式典を都内で開催した。式典には柴山昌彦・文科相や種村明頼・全国連合小学校長会会長、山本聖志・全日本中学校長会会長らが出席し、同会の60年にわたる歩みにお祝いの言葉を述べた。

親子で楽しく 継続して体を動かす

国公幼がリーフレット作成

 幼児はさまざまな遊びを中心に、毎日合計60分以上は楽しく体を動かすことが大事である。子どもたちが自分の興味や関心に基づいて体を動かすとともに、親子で一緒に行うことで楽しく続けることができる。家庭での手伝いなど、生活のあらゆる場面でさまざまな動きを意図的に取り入れることも大切となる。全国国公立幼稚園・こども園長会(会長=新山裕之・東京都港区立青南幼稚園園長)の特別事業委員会は、毎日の生活を少し工夫して継続的に親子で楽しく体を動かすことを目指し、リーフレット「親子で楽しくはなまるチャレンジ」を作成した。

プログラミング学習取り入れ「質の高い学び」展開

5年理科「水耕栽培」

川崎市立東菅小学校

 川崎市立東菅小学校(葉倉朋子校長、児童518人)は理科を中心に、子どもたちの思考力の育成に取り組んでいる。「植物の発芽・成長」の発展学習に当たる「水耕栽培」を扱った5年生の授業は、プログラミング学習を取り入れた特色ある実践の一つ。授業づくりに関しては学びのゴールに向けて「思考の基盤」を設定し、子どもが考えを深めていくための基準にした。「比較」「関係付け」「話形」などの「思考のすべ」も取り入れ、既習と関係付け、友達の考えを取り入れた「質の高い学び」が展開できている。

観光地の集客率上げるには 合意形成へ粘り強く議論

全日本中学校国語教育研究協議会栃木大会

日光市立東中が公開授業

 全日本中学校国語教育研究協議会栃木大会が11月15、16の2日間、栃木県日光市内で開かれた。初日は、日光東照宮特別顧問の高藤晴俊氏による記念講演と文科省初等中等教育局の杉本直美教科調査官による講話。2日目は六つの分科会に分かれ、公開授業と授業研究、研究発表を行った。「話すこと・聞くこと」の分科会では、日光への集客率を上げる活動について、クラスでの合意形成を図る授業を展開。独自の自己評価表やVTRでの振り返りを生かした実践が注目された。

「栃商デパート」で商業の魅力を実感

栃木県立栃木商業高校

 栃木県立栃木商業高校(池田和久校長、生徒587人)では毎年、生徒たちが仕入れ、販売、決算までを行う「栃商デパート」を開催。文化祭の代替としてスタートして今年で32回目となり、約4千人が来場する地元の恒例イベントとして定着している。この経験から、起業を視野に大学進学を目指す生徒もいるなど、キャリア教育としての成果にもつながっている。

特別支援学校・学級の子どもたち 大学生活の一端に触れる

 特別支援学校、特別支援学級で学ぶ子どもたちを対象に、大学生活の一端に触れられるようにする「子ども大学」が本年度、埼玉県で始まった。昨年11月から今月19日まで6回にわたって、公募で集まった子どもたちが大学を訪ねたり、大学生と交流したりするもので、障害のある子どもたちが普段はあまり体験できない活動の場を設けるとともに、教員志望の大学生らが、特別支援教育への理解を深める機会ともなっている。

変形労働時間制をオプションに

学力の3要素重視し高大接続改革

柴山昌彦文科相に聞く

 新年を迎えるに当たって柴山昌彦文科相は本紙単独インタビューに応じ、教職員の長時間勤務への対応や、新学習指導要領への移行に向けた考えを語った。中央教育審議会が長時間勤務への対策として提言する見込みとなった「1年単位の変形労働時間制」に関しては、職場環境改善のための選択肢を増やすものと位置付け、そもそもの業務量の削減を引き続き目指す意向だ。

若手の情熱で教育の未来切り開こう

平成生まれの教師座談会

 平成の教育とは何だったのか。平成生まれの教師に集まってもらい、自身が受けてきた教育と現在の教育について語ってもらった。司会は大分県の公立小学校の元教員で、現在は文科省に勤務し、教育内容や学習評価の政策業務に関わる田代和馬さんが務めた。

年頭あいさつ 2019年 教育界に期待する

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