No.5921号(2013年05月20日号)

05.20

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方言の「消滅危機」救え

東京・八丈町 小・中対象に授業

市区町村の重点施策 本社調べ

 全国の市区町村教委は地域の課題にどう応じているか。このような意図で、抽出した市区町村の教育長に本年度の重点施策を尋ねたところ、消滅の恐れがある方言を守る活動、学校での学習を補う公的学習塾の整備、保護者・家庭を対象とした教育支援などを進めていることが分かった。

公約実現へ 議論加速

自民党

 自民党が昨年の衆院選の公約に掲げた教育政策の実現に向け、検討を本格化させている。グローバル人材育成のための英語教育や大学入試の改革などをあらためて訴え、近く公表する参院選の公約でも「教育再生」と「経済再生」を二枚看板で打ち出す見込みだ。

児童間のトラブルなど課題解決へ 校内環境整えチーム力強化

教科担任制を導入

管理職・教職員 コミュニケーション徹底

横浜市立潮田小

 横浜市立潮田小学校(佐藤隆章校長、児童710人)は数年前まで、児童間のトラブルが目立ち、保護者からの苦情などは年間50回ほど寄せられていた。こうした課題を解決するために佐藤校長は、校内の環境整備や教科担任制の導入、教職員とのコミュニケーションの徹底―など多様な取り組みを進め、落ち着いた雰囲気を取り戻している。4年にわたる行動の一部を紹介する。

「よくかむ」習慣付けを

軟食化進み心身発達などに問題

木林 美由紀 静岡県立大学短期大学部准教授(歯学博士)

 幼児期の心と体の問題に焦点を当て、今回は、「かむ力」の重要性と、その育成の仕方などについて、静岡県立大学短期大学部の木林美由紀准教授に寄稿してもらった。歯学博士でもあり、長年、「咀嚼(そしゃく)力」と食行動や生活行動との関係について調査・研究している。偏食との関連、「かむ力」がもたらす効用なども述べてもらった。

家庭科 専科教員の経験生かす

埼玉・川口市立新郷南小学校の安瀬教諭

 「食」を大事に、家庭科の実践を重ねる埼玉県川口市立新郷南小学校(滝澤榮則校長、児童492人)の安瀬利江教諭。家庭科専科と学級担任を繰り返し歴任し、昨年度は20年ぶりに高学年の5年生を担当した。縫い物の基本をしっかり押さえるために、チーム・ティーチングで学年合同の授業を行い、自らT1として家庭科学習の充実を図るということも。調理実習後は、家の人に料理を作って食べてもらうことを宿題に出す。「『おいしい』という一言が何よりの励ましです」など、保護者の声を学級通信でも紹介している。

「合唱」通じ自信と誇り

生徒がコンクールに挑戦

東京・品川区立鈴ケ森中

 施設分離型の小中一貫教育を推進する東京都品川区立鈴ヶ森中学校(荒川右文校長、生徒284人)の特色の一つに、ワンランク上を目指す「ステップアップ学習」(以下、SU学習)がある。8・9年生が週1時間、自身で選択した高度な表現活動にチャレンジする場。このうち、「合唱」(音楽)はここ数年、「普通の生徒たち」が合唱コンクールに挑戦して入賞を果たしてきた。「子どもたちには特別なことがやれたと自信が生まれている。歌うことも学校文化として残したい」(荒川校長)と学校側も意欲的だ。

高校の特別支援教育充実へ

 高校における特別支援教育の充実には、中学校からの情報の引き継ぎが欠かせない。東京都立大江戸高校や栃木県では、いずれも特別な支援や配慮を必要とする生徒に関する情報を収集・引き継ぎ、高校での具体的な支援や指導に生かしている。早期に学校全体で共有することで、生徒全員が「分かる」授業、そして「安心」できる学校づくりを目指そうというものだ。

市民が育てたプレゼン力を発揮

ロボット競技で「世界一」

東京・三鷹市の小・中学生チーム

 ロボットを使った競技を交え、プレゼンテーション能力の高さを競う国際大会で日本チームが活躍中だ。東京都三鷹市に拠点を置く小・中学生チームは昨年の世界大会で優勝。英語塾に集まった子どもたちが保護者の指導と助言を得てプログラミングやプレゼンテーションの能力を磨いてきた。選手の父親で、チームを指導してきた河本敏志(さとし)さんは、「多くの人にチャレンジしてほしい。世界で活躍する日本人が育つだろう。子どもたちの可能性は大きく広がる」と話す。

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